across america

1985年初夏の頃、アメリカ合衆国横断の旅にでた
もう数回アメリカには来ていたが横断するのは初めてだった
取りあえず横断することだけ考えてコースやスケジュールは決めずにいた
決まっていたのはサンフランシスコの空港で車を借り3週間後にニューヨークの
ダウンタウンの営業所にガスを満タンにしてそれを返すことだけだった

I'm the One   Roberta Flack (1982)
今回はゆったりとした夏の夜に似合う女性R&B,JAZZシンガーを紹介しよう 最初はこのロバータ・フラック、何とも言えない心地よい歌声だ 1973年に出した"やさしく歌って"が大ヒットし知られるようになり数々のアルバムを 発表しているがこれは軽快なノリといいかなりAOR的でベストな一枚。 当時、彼女はニューヨークのダコタハウスに住んでいて音もそれっぽい。サックスには グローバーワシントンJr.が使われ、全体の完成度も高くかなりのお勧めもの

とにかく長い車の旅は始まった、サンフランシスコで運転を慣らし海岸線沿いを南下した
メキシコ国境近くのサンディエゴまで行きそこからサンベルトと呼ばれる地帯を蛇行しながら東に向かった 毎日広大な景色の中、アクセルを踏みっぱなしで相当な距離を走る。 当時はハイウェイのスピードリミットがオイルショックの頃より時速55マイル(90kmぐらい)で低く抑えられ 連日のようにスピード違反で捕まる、そんなことを繰り返し中西部を走り抜けた。


Rand McNally the Road Atlas United States
多分、誰もがアメリカを車で旅をするときにお世話になるはずだ
毎年発行されサイズはA3のひとまわり小さめで140ページ程のもので
日本円で千円弱、全ての州が網羅され分かり易い索引もあり巻末には
トラベル用のクーポン券がどっさりと付いてくる。
半分程度の持ち運びやすいサイズもあり勿論州ごとの一枚物の地図もある
夜のモーテルのベッドのうえで通ったルートを蛍光ペンなんかでなぞって
いくとこれから先の道順を考えワクワクしたり使い込んでボロボロに
なった地図は旅の思い出の品にもなりなかなかいい物だ

The Collection  DENIECE WILLIAMS (CD 2001)
It's gonna take a miracleという曲が入った1982発売のNancyというアルバムが有るのだが
見つからなかったのでこのCDを紹介しよう、1977-88までの代表曲が入ってお買い得だ。
その曲は82年に初めてアメリカに行った時よくラジオから流れていた。初めての旅で感動
していたのでずっとIt's gonna take americaと思って聞いていて笑ってしまう様な思い出
深い曲だ。こんな空耳みたいな話とは別にしても本当に良い曲で是非聞いてほしい。
最近は一曲目のFreeなんかもソウルクラシックスとして注目されている。

ハイウェイをニューオリンズに向かって飛ばしているとすぐ手前の町でまたポリスカーに止められた
今度はテレビカメラマンも付いていた交通犯罪現場のイヤな所を撮られるのかと思っていたら
腹は空いてないかと聞かれ無理矢理どこかに連れて行こうとする、訳もわからず付いていくと
そこはパーティ会場でいきなり祝福をうけた、なんでも一番遠くからのナンバーの客を招待する企画らしく
偶然にも言葉もよくわからない遠い異国からの客で会場は沸き上がっていた
そこはフロッグ(蛙)競技で有名な町で丁度それに居合わせてしまったと言うわけだった
お土産を持たされ名誉市民に任命され証書を受け取りやっとその場は終わった
その始終はニュースに流され笑い物になっているだろうがニューオリンズでは流れないというので見ていない

The Frog Capital of the World    Rayne Louisiana
ニューオリンズの西150マイルに位置するこの小さな町はカエルの
ジャンピングコンテストで有名らしい。数日かけてこのカエル祭りが
繰り広げられる。先を急いでいたのでそれを見なかったのは残念だったが
本当は恥ずかしくその場を早く過ぎ去りたかったのかも知れない
帰り際に何やら紙袋一杯の贈呈品を貰った、その中身はこの町の商店などの
備品やグッズのようなものばかりだった。この灰皿はその時のもので今でも
毎日愛用している。という事はこれが一番まともな品だったのか...

New York State Of Mind    ANN BURTON (1979)
アン・バートンはオランダのジャズボーカリスト
タイトルとなったNew York State Of Mindのオリジナルはビリージョエル
でもそれとは全く雰囲気は変わりぐっとスローになってニューヨークの夜のイメージだ
ニューヨークへの想いを歌った曲だが歌詞にはアメリカの名物が出てきて旅情が感じられる
アルバム全体がしっとりしていて、プロデュースはあの同業者ヘレンメリル

フロリダ州に入りアリゲーターハイウェイを抜け一気にアメリカ本土最南端のキーウエストへ
そこからはニューヨークまで北上するだけだが今までとは違い古い町が連なりペースは落ちた
最後は夕暮れ時のブルックリンブリッジを渡ってマンハッタンに入る。
長い旅の終わりに橋の上から見るマゼンタ色に染まる摩天楼は何とも言えない感動のひと時だ
ほとんど新車だったルノーは6000マイル(9600km)近く走りかなりくたびれ、最初の横断の旅は終わった